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この記事の確認ポイント
管理は所有者の努力義務
空家法では、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理することが求められています。
庭木は「放置」が管理不全の例に
国のガイドラインでは、立木の剪定がされず枝のはみ出しがある状態などが管理不全空家等の例に挙がっています。
通えないなら委託を検討
管理を委託するときは、作業内容・報告方法・費用を契約で決めておきます。
最終確認日:2026-10-24。制度は改正される場合があります。個別の判断は自治体・専門家にご確認ください。
結論:草刈り・庭木・見回りは「定期的に」が基本。通えないなら早めに頼み先を決める
相続した実家が空き家になると、困りごとの多くは建物そのものより敷地まわりから始まります。運営者の実務経験でも、空き家の相談は「草刈り」「庭木の伐採・剪定」「空き家の見回り」の順に多い傾向があります。どれも一度やれば終わりではなく、季節ごとに繰り返し必要になる作業です。遠方に住んでいて通えない場合は、近隣から苦情が来る前に、頼み先と頻度を決めておくと安心です。
所有者には「適切な管理」に努める義務がある
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)では、空き家の所有者等は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めることとされています。国の基本指針も、空き家は私有財産であるものの、適切な管理が行われないと防災・衛生・景観などの面で地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすおそれがあると説明しています。
2023年12月の改正で、放置すれば特定空家等になるおそれのある空き家は「管理不全空家等」として指導・勧告の対象になりました。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れます。詳しくは管理不全空家とは?特定空家との違いと固定資産税への影響で解説しています。
庭木の伐採・剪定:国のガイドラインが示す「管理不全」の例
国土交通省のガイドライン概要では、立木について次のような状態が管理不全空家等の例として示されています。
- 立木の伐採等がなされておらず、腐朽が認められる状態
- 立木の大枝の剪定、補強がなされておらず、折れ又は腐朽が認められる状態
- 立木の枝の剪定等がなされておらず、立木の枝等のはみ出しが認められる状態
あるべき管理としては「一定の頻度で立木の点検・伐採等を行うこと」が挙げられています。大きく育った庭木は、倒木や枝の落下で隣家や通行人に被害を与えるおそれがあるため、高所の作業は無理をせず専門業者に任せるのが無難です。
隣地に越境した枝は、条件によっては隣の人が切れる
2023年4月1日施行の民法改正で、越境した枝のルールが変わりました。以前は、枝が越境しても隣地の所有者は竹木の所有者に切除させる必要がありました。改正後は、竹木の所有者に切除を催告しても相当の期間内に切除されないとき、竹木の所有者やその所在を知ることができないとき、急迫の事情があるときは、隣地の所有者が自ら枝を切り取れるようになっています。
空き家の所有者から見ると、連絡がつかない・対応しないままでいると、隣の人に枝を切られることがあり得るということです。隣家から連絡が来たら放置せず、早めに剪定の段取りをしましょう。
草刈り:伸びる季節の前に頻度を決めておく
雑草は春から秋にかけて伸び、放っておくと敷地の外にはみ出したり、ごみの不法投棄や害虫の発生のきっかけになったりします。国のガイドライン概要では、清掃等がなされず常態的な水たまりや多量の腐敗したごみ等がある状態や、動物の棲みつきが認められる状態も、衛生面の管理不全の例として挙げられています。草刈りを自分でできない年は、伸びる時期の前に業者やシルバー人材センターなどに依頼の可否と時期を確認しておきましょう。除草剤や防草シートなど、草刈りの回数を減らす方法を相談するのも一つの手です。
見回り:委託するなら作業内容と報告方法を契約で決める
国土交通省は2024年6月に「不動産業者による空き家管理受託のガイドライン」をまとめ、所有者が安心して管理を委託できるよう標準的なルールを示しています。ガイドラインで挙げられている作業や留意点は次のとおりです。
- 作業の例:定期的な巡回による建物(門、塀、屋外階段等を含む)の点検、通風・換気、点検・簡易な清掃、敷地内の立木の確認など。通水を止めている場合も、管理巡回時に水を持参して対処できるとされています。
- 報告:作業終了からおおむね1週間程度の期間内に、写真や動画などで作業内容が容易に確認できる方法で報告することが考えられるとされています。管理不全の懸念がある場合は、可能な限り速やかに委託者へ伝えることが望ましいとされています。
- 契約:報酬と支払の時期・方法を定めること、電気・水道料金の支払い主体や漏電・漏水時の扱いを決めておくこと、貴重品は契約開始前に搬出しておくことなどが挙げられています。
このガイドラインは不動産業者向けですが、どの業者に頼む場合でも「何を・どのくらいの頻度で・どう報告してもらうか」を事前に決めておく考え方は共通です。
頼み先の探し方
- 自治体の空き家窓口:シルバー人材センターや協定事業者、管理サービスの登録制度を案内している自治体があります。たとえば長瀞町はシルバー人材センターと埼玉県の空き家管理サービス事業者登録制度を案内しています。
- 自治体の補助:空き家バンクへの登録を条件に、家財処分や庭木の伐採等の費用を補助する自治体もあります(例:木曽町の片付け補助)。お住まいの地域の制度は補助金を探すから確認できます。
- 民間の業者:草刈り・剪定・管理代行の業者は、作業範囲と料金、追加料金の条件を見積もりで確認してから依頼します。
管理を続けるのが負担なら、売却や賃貸、解体も含めて選択肢を整理しておくと判断が早くなります。空き家の進め方診断や空き家の維持費シミュレーターも使ってみてください。
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よくある質問
Q.空き家の庭木が隣の家に越境しています。勝手に切られることはありますか。
A.2023年4月1日施行の民法改正で、催告しても相当の期間内に切除されないとき、所有者や所在が分からないとき、急迫の事情があるときは、隣地の所有者が自ら枝を切り取れるようになりました。連絡を受けたら早めに対応しましょう。
Q.見回りを業者に頼むとき、何を決めておけばよいですか。
A.国のガイドラインでは、作業内容、報告の方法と時期、報酬と支払方法、電気・水道料金の扱い、漏電・漏水時の対応などを契約で定めることが挙げられています。
Q.草刈りや庭木を放置すると、税金に影響しますか。
A.管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。立木の剪定がされず枝がはみ出している状態などは、国のガイドラインで管理不全の例に挙がっています。
出典・参考にした公式情報
- 総務省・国土交通省「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針」
- 国土交通省「管理不全空家等及び特定空家等に対するガイドライン概要」
- 法務省「民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について」
- 国土交通省「不動産業者による空き家管理受託のガイドライン」(令和6年6月)
当サイトは一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務・不動産に関する助言は行いません。実際の対応は、自治体の窓口または専門家に必ずご確認ください。
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